擁壁等の底盤には恒久的に盛土の荷重がかかり続けます。支持盤が良質地盤であればよいですが、軟弱地盤上の構造物はその影響により支持盤に変形が生じ沈下が発生し、沈下することで外向けの土圧が横に押し転倒が発生する例があります。また水抜き穴から水が出ない場合、盛土に水の重さが加わり変形させる可能性が高まります。安全率を見込んだ設計をするはずですが、予測できない深層での変形や流動性の高い土質では変形荷重がかかってしまいます。余談ではありますが建築面積の50cm厚みの盛土と木造2階建ての重さは同じくらいあります。
擁壁の荷重がかかる底盤外側付近に鋼管杭を圧入し補強する方法。安全率を見込んだ鋼管杭を選定、杭配置し擁壁にかかる大半の荷重を杭先端で支持させ地盤沈下の進行を低減させます。現状の底盤摩擦力を使用するので荷重導入程度させます。
擁壁内の盛土がある状態で底盤の外側と内側に安全率を見込んだ補強杭を施工し、修復に支障となる盛土を撤去後、油圧ジャッキによりレベル、傾斜、位置調整を行います。再度盛土を行い、底盤の摩擦力を復元する為、薬液注入など空洞充填技術で隙間を充填させます。
擁壁の変形に影響している盛土(土の比重1.8t/㎥)から気泡セメントミルク(比重0.7t/㎥任意設定)に置き換える工法。支持盤にかかる荷重を軽くする補強方法です。強度は1.5N/m㎡でコンクリートの1/20程度、土の10倍程度の硬さがあり、その後の軽量土内作業も容易にできます。
1.高さ3m長さ40m擁壁下軟弱支持盤の為、地盤沈下発生
2.L型擁壁の盛土荷重のかかる所に鋼管杭を圧入設置
3.最大圧入荷重100t18ヶ所設置
4.アップ調整は連動配管を行い制御します
5.約4㎜アップ、570t荷重導入固定
6.作業坑内埋戻し、補強完了
1.擁壁の転倒ズレ発生
2.埋戻し土撤去
3.擁壁仮受け、調整支障土撤去
4.ジャッキダウン、転倒調整
5.擁壁下の埋戻し
6.擁壁内埋戻し、調整完了
1.重力式擁壁にズレ沈下発生
2.接続部クラック、建物も沈下
3.鉄骨建物を鋼管杭にて補強、調整、仮受けします
4.建物仮受け後、擁壁内土砂搬出
5.擁壁定着鉄筋、水抜き穴延長
6.家の中では通常の生活を送ったまま作業しています
7.エアミルク充填材製造
8.120㎥充填状況
9.軽量土置き換え完了
1.工事中に集中豪雨の水流により下部の土砂流出
2.1m沈下70㎝ズレ発生
3.支持力が無い為、圧入杭施工
4.1mジャッキアップ調整
5.70㎝横取り調整
6.正規位置調整完了